「低身長でもオシャレになる方法」
検索すれば、いくらでも出てくる。
縦のラインを意識する。
短丈のトップスを着る。
タックインする。
細身のパンツを穿く。
低身長をできるだけ目立たなくして、スタイルをよく見せるための方法。
でも僕は、その前に一つ疑問がある。
そもそも「オシャレ」って何なんだろう。
僕がかっこいいと思えば、かっこいい
僕自身は、自分がかっこいいと思ったものは、それでいいと思っている。
自分が全身ピンクをかっこいいと思うなら、全身ピンクを着ればいい。
他人からダサいと言われても、自分が本当にかっこいいと思っているなら関係ない。
本来、ファッションなんてそれで終わる話なのかもしれない。
でも、世間はそうなっていない。
「これはオシャレ」
「これはダサい」
「これはスタイルがいい」
「これは似合っていない」
僕たちはいつの間にか、誰かが作った「オシャレとダサいの基準」を自分の中にインストールして、その基準で自分や他人を見ている。
そして、比較する。
比較する以上、そこには優劣が生まれる。
だったら、その比較の中で低身長が有利になる場所はあるんだろうか。
低身長にとっての「得意領域」を考えてみた。
王道のキレイめは、たぶん分が悪い
例えば
シャツ、スラックス、革靴。
いわゆるキレイめの王道スタイル。
もちろん、かっこいい。
ただ、こういうシンプルな服装は、服そのもので大きな差をつけるのが難しい。
同じようなシャツを着て
同じようなスラックスを穿いて
同じような革靴を履く。
使っているアイテムによる差が小さくなれば、その分だけサイズ感や着ている本人のスタイルが全体の印象に占める割合は大きくなる。
そして今の世間には
「男性は背が高い方がスタイルがいい」
という価値観がある。
同じようなコーディネートをした180cmの人と158cmの僕が並んだとき、世間一般の基準で比較すれば、僕の方が分の悪い勝負になる。
もちろん、低身長でもキレイめをかっこよく着ることはできる。
でも「かっこよく着られる」ことと
「比較したときに有利」なことは別だ。
じゃあ、低身長の得意領域はどこなのか
キレイめがダメなら、ストリートはどうだろう。
古着なら?
モードなら?
服そのものの情報量を増やしたり、シルエットで遊んだりすれば、身体的な条件が全体の印象に占める割合を小さくすることはできるかもしれない。
でも、それは高身長の人にもできる。
低身長だから有利になるわけではない。
もっと個性的な格好をすれば、そもそも比較されにくくなるかもしれない。
でも、それも「低身長だから似合う」という話ではない。
色々考えてみた。
結局「低身長だから有利」と言えるファッションの領域は、僕には見つけられなかった。
今の世間の基準で比較する以上、低身長という条件はどうしても分が悪い。
コンプレックスは、比較の代償なのかもしれない
ここまで考えて、一つ思った。
コンプレックスって、こうやって生まれるんじゃないか。
誰かと比較する。
自分が下にいることを知る。
また比較する。
また負ける。
それを繰り返しているうちに、ただの「158cm」という数字だったものが、自分の嫌いな部分になっていく。
だとしたら
コンプレックスとは、比較することの代償なのかもしれない。
ただ、不思議なことに僕自身は158cmしかないのに、身長に対するコンプレックスがほとんどない。
服を買いに行って
「これも似合わねえな」
と思うことは普通にある。
身長が高かったら、もっと簡単に色々な服を着られただろうなと思うこともある。
でも、158cmであること自体を嫌だと思うことはほとんどない。
なぜなんだろう。
自分で言うのもなんだけど
たぶん僕は、身長以外の部分で他の人よりいい結果を出せた経験を、それなりに積み重ねてきたからだと思う。
身長では負けていても、別のところでは勝てた。
だから「158cm」という一つの比較で負けることが、そのまま自分自身が負けているという感覚にはならなかった。
「比較するな」は、たぶん無理だ
だったら
「他人と比較するのをやめればいい」
という話になるのかもしれない。
でも僕は、それも現実的ではないと思っている。
自分が比較することをやめても、世間は比較するからだ。
僕が
「158cmでも自分がかっこいいと思ってるから関係ない」
と思ったところで、世間から見た158cmという数字の評価が変わるわけではない。
そもそも僕たちは、服以外でもずっと比較されながら生きている。
身長。
顔。
仕事。
収入。
学歴。
スポーツ。
コミュニケーション能力。
挙げ始めたらキリがない。
だから、比較というゲームそのものから降りることは難しい。
だったら、勝てるものを増やせばいい
比較から逃げられないなら、僕は別の考え方をした方が楽だと思っている。
自分が勝てるものを増やせばいい。
全部で勝つ必要なんてない。
身長では負ける。
でも仕事では勝てるかもしれない。
スポーツでは負ける。
でも喋ったら自分の方が面白いかもしれない。
顔では負ける。
でも服なら自分の方がかっこいいかもしれない。
一つ負けたからといって、自分という人間そのものが負けるわけじゃない。
そして、その中でも服はかなり簡単に変えられるものだと思う。
身長を明日10cm伸ばすことはできない。
顔や骨格も簡単には変えられない。
仕事で結果を出すにも、収入を増やすにも時間がかかる。
でも、服は明日から変えられる。
今まで何となく服を選んでいた人でも、服を変えれば見た目は変わる。
オシャレになれば、それだけで一つ自分の強みが増える。
身長では分が悪かったとしても、
「でも俺の方がオシャレだけどな」
と思える。
それくらいの小さな優越感があってもいいと思う。
低身長にとってのオシャレとは
結局
「低身長にとってのオシャレとは何なのか」
という最初の問いに対して、特別な答えは見つからなかった。
低身長だから似合う服があるとか
低身長だから有利になるジャンルがあるとか
そんな都合のいい答えは、少なくとも僕には見つけられなかった。
世間が高身長を肯定的に評価する以上、比較すれば分が悪い。
それはもう仕方がない。
でも、だからこそ服くらいは自分たちに合ったものを着てもいいと思う。
街を歩けば、たくさんの人が同じようなファストファッションを着ている。
もちろん、それが悪いわけではない。
安くて、便利で、デザインもいい。
その中で
「自分が着ているこれは、自分くらいの身長の人間のために作られている」
と思える。
誰かの身体を基準に作られた服を、なんとか自分に合わせて着ているんじゃない。
最初から自分たちの身体を基準に作られた服を着ている。
それだけで、ほんの少し優越感を持てるかもしれない。
低身長を高く見せたいわけじゃない。
低身長の方が優れていると言いたいわけでもない。
世間の価値観をひっくり返したいわけでもない。
ただ、比較から逃げられない世界なら、
自分が勝てるものを一つくらい増やしたっていい。
僕は今、低身長の男性に向けた服を作っています。
次回は僕がワイドパンツを作る理由を書いて見ようと思います。